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ざつがく・どっと・こむ

ちょっとサイエンスな雑学を人生にひきつけて考えるコラム集

ハエ以上、イネ以下

 遠足の前の日、200円を手に友だちと連れだって学校近くの駄菓子屋へ。上限とされるその金額以内で、どんなお菓子を揃えるかが楽しみだった。
 人間の遺伝子の数がおよそ3万個と、これまでの10万個という予想より少ないことが話題になったのが2月のこと。10万個というのは体内で働くたんぱく質の数で、これまでは一個の遺伝子が一個のたんぱく質を作ると考えられていたのが覆された形。ひとつの遺伝子から複数のたんぱく質をやりくりしていたわけだ。
 ショウジョウバエの遺伝子数が約1万4000なので、おれたちはハエの倍しかないんだよな、なんて酒場で語り合った人も多かったんじゃないだろうか。大腸菌が4300、その10倍もない。いや、それをいうなら、マウスは人間と同じくらいの遺伝子数を持つし、フグだってそうだ。
 農業生物資源研究所などの研究チームが、イネゲノムの解読に取り組んでいる。最近明らかになった、12本ある染色体のうち第1染色体の遺伝子数は、約7000という。イネ全体に単純換算すると6万から7万個(日経3月29日)。この調子なら、人間よりイネの遺伝子のほうが多いことになりそうだ。
 ぼくたちより多くの遺伝子を持ったいのちが田ですくすくと育っている、というのはなんだか愉快。その間をゆく昆虫や水の中の魚たちも、それほどきょくたんに遺伝子数が変わるはずもなく、つまりはみんな同じ仲間。
 リュックから自分たちが選んだお菓子を取り出し自慢しあう遠足のひととき。上限が2000円と言われていたら、あの楽しさはなかったろうな。数じゃないんだ、たいせつなのは。

by 小橋昭彦 : 01年04月05日

小橋 on 2001年04月05日 09:39

遺伝子については、3月28日のコラム「がらくたDNA」とその参照サイトもどうぞ。イネゲノムについては、「農業生物資源研究所のリリース」をご覧ください。最近の書籍としては、『ゲノムが語る23の物語』がおもしろいです。

小橋 on 2001年04月05日 09:40

今日の没ネタ。花粉症がGDPに与える影響も無視できない(日経3月11日)。世界各国、人気番組いろいろ(朝日3月10日)。顔の本質は目(朝日3月11日)。

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