小橋 昭彦 2001年10月9日

 関連シリーズも含めて日本でもこれまで1000万個売れているという人生ゲーム。日本での発売は1968年。似たようなゲームにすごろくがあったものの、地形が立体的に表されたボードやサイコロじゃなくルーレットを回すところ、おもちゃのドル札をやりとりするところなど、ずいぶん新鮮だった。
 米国での発売は1960年で、ミルトン・ブラッドレー社から。この会社、マサチューセッツ州で印刷業を営んでいたミルトン・ブラッドレーが、彼が考案したゲーム「The Checkered Game of Life」のヒットを契機に設立したもの。「The Game of Life」は、その発売から100周年を記念して作られたものだった。
 1860年のゲームは、名前の通りチェッカーボード上に人生に起こるさまざまな出来事を記している。「善行のマス」と「悪行のマス」があって、善行を積んでいけばより多くポイントを稼げる。聖書の教えに従って悪行を戒め善行を奨励する、敬虔なピューリタンだった彼ならではの内容だった。
 100年後の人生ゲームは、黄金の60年代らしく、「牧場のあとつぎになる」「高級車ロールスロイスを買う」などのコピーが並ぶ。日本版でも直訳されて出ているから、懐かしさを感じる人もいることだろう。
 日本オリジナルのコピーが登場するのは1983年からで、「お世話になった人達にお歳暮をおくる」などが入るとともに、「デザイナー」などカタカナ職業が登場。通算4代目となる1990年発売版では「パソコン通信を始める」が登場したりもしている。
 ちなみにミルトン・ブラッドレーだけど、最初はリンカーンの肖像画販売で儲けていたという。ちょうどリンカーンが大統領選挙に出たころ。もっともあごひげがなかったので、その後彼があごひげを蓄えたことがわかって、急激に人気を失ったのだとか。それにめげずに発売したのが「The Checkered Game of Life」だったわけ。失敗にめげず再挑戦する、彼自身が人生のなんたるかを教えてくれている。

2 thoughts on “人生ゲーム

  1. なぜかキャンプ仲間の間で人生ゲームがブームです。数年前に新潟へキャンプに行って以来、暇があるとキャンプ場で人生ゲームをやってます。
    昼間から大の大人数人が大型テントの中でわめきながら人生ゲームをやってる姿は人生の悲哀を感じさせるそうで、結構いやがられてるんですがやめられません。・・・変、ですよねぇ。

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